やりたい事のために会社の力を活用するスタンス、について

たまーに、自分のプロフィールにこの表現を使う。

だが、年齢が上の方にはうまく伝わらないようで、反感を持たれる事が多い。

であれば、無用な喧嘩を防ぐために消せば良いじゃないか?とも思うのだが、一方で同年代の人からはそういう意見を全く聞かない。

もしかしたら、この表現は世代を2分する力があるのかもしれない。

 

 

 

反感を持たれる方のご意見はこうだ。

「お前は何でも1人でできると思っているのか。」

「会社のために頑張ろうという気持ちはないのか。」

と。

 


正直言って、私は自分1人では何も出来ないことなどとうの昔にわかっているし、もっと言うと、むしろ今のままじゃダメだろ?と思って、現在の姿を否定して改善に向けた提案を行う事はあっても、会社の事がどうなってもいいなんて思った事はない。

 


このフレーズで、自分が言いたいのは、

「自分1人の力なんて大した事ないが、会社という箱の力を借りる事でレバレッジを効かせることが重要だ」と言うことだけだ。

 

 

 

では、なぜこのように反感を得てしまうのだろうか。

私が考えた理由としては以下の通り。

 


まず、上の年齢の人で、特に会社の中でずっと頑張ってきた人というのは、

会社のために個人は我慢しなければいけない、

または会社のために犠牲となることで給料をもらうのだ、

という意識が根強いのではないか、ということ。

 


そういう人からすると、

会社でやるべきことというのは、個人から出てくるものではなく、

例えば、経営から降って来たものをそのままやる、という意識が強いのかもしれない。

 


私からすると、会社という箱の中でやる以上、

短期的か中長期的かは別にしろ、会社の利益成長に寄与すると思われること以外出来ないはずで、

個人の完全な趣味を実現できるとも思わないし、するべきでは無い。

そもそも、そんな当たり前のことをいちいち言う必要すらないと思っている。

 

 

 

一方、私自身のやりたい事というのは、

趣味や自己実現も含めて、会社のそれと100%一致しているわけではない。

というか、私以外の人を見ても、100%一致している人なんてどこにもいやしない。

 


自分は他と比べて、もしかしたら会社で過ごす時間、仕事の割合が大きい方かもしれないけれども、

それでいても会社だけの人生を過ごしたいとは思わないし、それはミレニアル世代と言われる人達からすると至極当然なことではないか。

しかしながら、別に仕事を頑張りたくないと言っているのではないし、仕事を軽視しているわけでもない。

 

 

 

これは元LINEで今はZOZOにいらっしゃる田端さんがおっしゃっていたことだが、

法人というのは、そもそも個人が何か仕事をしようとする時に反復的に発生するような事務や契約等のコスト部分を減らしてくれることに意味があるのであって、

実は今みたいに、いろんなシステムやクラウド型サービスで便利になってくると、

昔は法人でないとできなかったことが、いっぱしの個人でも同様以上に出来るようになってきていると。

 


逆にいうと、本当に法人の形態でやるべき事と、そうでない事を見極めていかないと、

法人を通じてやることが逆レバレッジ、つまり単なる高コストを生み出すハメになってしまうよと。

例えでいうと、何にも考えないでやっていると、単に自分で頼めばすぐに予約できる航空券の手配を、○○興業に出して、紙で印刷されたものを郵送でうけとらなくてはいけない、というのをなんの疑問も持たずにやるような人間になってしまうという感じか。

 

 

 

僕の「会社の力を活用する」というのは、まさにこの事だ。

だから、このフレーズを見て、お前は自分勝手だというのは、正直お門違いと言わざるを得ない。

むしろ、このレバレッジを意識しないで仕事をしているとしたら、そちらの方がまずいのではないかとも思うのである。

 

 

 

このフレーズを通じて表現したいことのもう一つは、「個人と会社は出来たら対等であるべき」ということだ。

つまり、会社が支払う給料への対価として、期待される業務役割を果たすことが求められているわけであって、それ以上でもそれ以下でもない。

これは別に、会社とドライな関係であれ、という事を言っているわけではない。

会社に所属する以上、価値を提供し続けなければいけない、という厳しさを敢えて課すことでもある。

 


逆にいうと、それ以外で個人を過度に縛ることが本当に正しいのかは甚だ疑問だ。

人生100年時代を前提にすると、多くの企業の寿命が人の一生より短いわけで、

特に60とか65歳以上の人生に退職金や上乗せ年金で面倒を見切れる企業の方が少ないわけです。

むしろ、どの会社でも生きていける変化に強い人材を抱えておくことの方が、望ましいのではないか。

 


そういう事を忘れないようにするため、このフレーズを使っている。

 

会社の事何も考えずに、お前は調子乗るなと良く言われがちな自分ではあるが、少なくとも人並み以上には考えているつもりではある…。