部署異動に伴う投信直販サービス業務からの卒業のご報告

この度、2016年11月(個人的な構想としては、もっと前ですが…)くらいから、事前検討、準備、ローンチ、足元まで運営等に関わってきた、投信直販サービスmattocoの業務から卒業する事となりました。

  

このサービスの検討段階、あるいは現在進行形でお世話になっている皆さま方におかれましては個別でご挨拶したかったのですが、人数も多すぎていつまで掛かるか分からないので、一旦この場を借りて感謝申し上げます。

 

時には失礼な態度でご迷惑をおかけすることもあったかと存じますが、それでも何とかやって来られたのは、皆さま方に最後まで見捨てられなかったから、辛くても何くそと歯を食いしばって頑張ってくれたから、またサービスを良くしようと本音でぶつかっていただけたからだと確信しております。

本当にありがとうございました。

  

 

ま、平たく言えば単なる部署異動なので、他の人からしたら何てことない訳なんですが、自分としては、(社内)起業、イントラプレナーのつもりでここ数年の人生をかけてやってきた事なので、「なぜ今なのか、あぁそうか、なんか悔しいなぁ、まだまだこれからなんだけども…」と虚無感その他色んな感情が溢れ出し、上司からの話もまともに聞けませんでした。

 

元々、会社というよりも、このビジネスに拘ってやってきたんですよね。

正直起きてる時間中ずっと考えてましたし、このビジネスが軌道に乗るまではと意識し続けてきたので、そこまでは緊張を切らないように走り続けよう、と思ってました。

 

だから、自分で終わりを決める事はあっても、外から終わりを告げられるとは思っていなかったというのが本当のところです。

ま、普通に考えれば認識が甘かったと言わざるを得ず、これは自分でリスク取ってる起業家と、サラリーマンの違いだなと改めて認識させられました。

(そもそも、起業家でも業績ダメなら交替させられるのだろうし、言い方違うかもだが…。サラリーマンの分際で、自分のビジネスとか言っちゃダメだった。調子乗りすぎてましたね(笑)…。)

 


だから、上司から表面的にはどんなに良いことを言われても、この自分の中にある複雑な感情を納得させるものは何一つなく、(ここでは詳細は書きませんが、)言われるだろうと分かっていたにも関わらず、それへの心の整理など準備できていなかった自分自身の事が笑えてきて、言葉も耳に入ってきませんでした。

 

もちろん、今まで信頼して任せてくれた直属の上司には大変感謝しており、上司が悪いとか、そういうことを言いたいのではありません。

むしろ、新規事業といういわゆる会社の中での火中の栗を拾い、その中で色んなものから自分達を守り、任せてくれたにも限らず、その期待に添えなかった自分への不甲斐なさしかありません…。

また、そんな上司に対して悪態しかつけない自分自身はもっと許せない…。

悔しくて、悔しすぎて、久しぶりに仕事で涙出てきましたね…。

自分の思い入れが強すぎたんですね、きっと…。

 

 


でも、ほんとに面白い事に関われたなと。

色々振り返ってみると、学びも多かったなと。

 

投資信託の運用会社による直接販売ビジネスの立ち上げに関わり、簡単に言ってしまうと、投資信託専門の証券会社を作ったのですが、B2B(銀行や証券会社を介して販売する)の投資信託ビジネスだけでなく、B2C(お客さまに直接売る)に取り組む中で、決済システムから金商法や犯収法、その他様々な範囲を網羅的に見られた事は、自分のこれまでのキャリアを総括するような感じで良かった。

 


・今まで以上に、金融にまつわる規制の多さを感じさせられた中で、その中でどう法律を解釈し読み込めばやりたい事を実現できるか?

特にうちの事務部門やコンプラの人達は大変優秀で、その方々に助けていただきながらチャレンジングな課題に取り組めたのも面白かった。

やりたいとアイデアを伝えればすぐに集まって時間を割いてくれ、親身になって考えてくれた。本当に周囲の人の協力には感謝しかない。

 


・抽象的に言っても、ゼロイチのフェーズを一度経験出来た事は大きい。計画通りにいかないこともたくさんあったし、やってきた事がやり直しになってしまうことも多々あった。

システムで言えば要件定義の大切さは痛いほど身にしみたし、急がば回れは本当にそうだった。関係者が多くなる中で、多少スピードを落としてでも大事なところでの合意形成をサボると後でとんでもないことになるというのを肌で感じられた。

 

・本格的なシステム開発も自分にとっては初めてで、フロントやインフラとか、自分達のビジネスが、様々なシステムのメンバーによって支えられているという事が、身をもって感じられたので、今後ハデなことをやる場合であっても、裏方の人達への感謝は忘れてはいけないと身に沁みた。

特にプロジェクト途中からジョインしてくれた優秀な同僚には、そういうシステム開発のイロハから教えてもらえ、感謝しかない。今更こんなレベルから話さなきゃいけないのはめんどくさかっただろうに。

 


他にもまだまだある…。

これから時間をかけて、自分なりに総括してみたいと思います。

 

 

私はそんなに器用な人間でもないので、他の事をやれと言われても、今すぐには全くその気になれない状況でして、切り替えや自分を見つめ直すためにもしばらく充電が必要だなと思っています。

といっても、サラリーマンですからもちろん毎日会社には行きますが…(笑)。

 


今後やれと言われている事もあるので、新たなネタを探すためにも様々なリサーチが必要。

ちなみに、今後やれと言われているのは「オープンイノベーション」みたいなこと。

そもそも、うちは他社と本格的な提携とかしたこともあまりなければ、グループのアクセラレータへの関与もまだまだ弱いし、本気でそういう事の必要性を感じているのかも正直言ってよく分からないし、そういう文化を変えるところからやらないといけないとしたら、相当な課題しかない…。

ただ、やる前に考え過ぎても仕方ありません。

とにかくある程度の期間を決めて、足掻くだけ足掻くことにします。

ネタによっては、会社の中でやるべきなのか、そうじゃないのかはまだ分かりませんので、ネタの範囲は狭めずに検討していきたいなと。

なので、同業でない方と会う時間をもっと増やしたいと思っています!

この人とあった方が良い、この本読んだ方が良いとかオススメあれば是非!

  

 


一方、視野を広げると同時に、今回得た経験を活かして新たなチャレンジが出来ないか?というのもあります。

(もう一回、直販ビジネスの立ち上げをしたいということではないので悪しからず。)

周りの友人が社長となって数十億の資金調達しながらビジネスに邁進している一方、自分はまだまだダメダメですし、今回の事で自分自身の今時点でのダメな所や改善点もたくさん見えました。

そのためにも、自分の視野をもっと広げたい。できたら、ベンチャーや大手等関係なく、ゼロイチのサービスを立ち上げた後のキャリアについて見識お持ちの方の話など聞いてみたいです。

 

もちろん、ビジネスを成功させたというには程遠いですし、上場やバイアウトをさせたわけではないです。

だけど、自分がやりたい方向にハマれば圧倒的な当事者意識を発揮できるという、自分の強みにも気付くことができましたし、現時点では全く見えないものでも色んな人に協力得ながら何とか形や方向性を作っていく時のメンタリティも結構あったかもなぁとか。

これからはこういう自分の得意な特性を活かせるゼロイチみたいな場所で頑張って、もっと成長したいなぁと身をもって感じたからです。

 

 


ライフネットの立ち上げから経営を長年やられた後に大手保険AIAに移られた岩瀬大輔さん、THEOのCOOされた後にcoinbase日本法人の代表をやられている北澤直さんとか、金融分野の中では勝手ながら注目していますし、

シリアルアントレプレナーとして有名な木村新司さんとか、光本勇介さん、けんすうさんみたいな人達に憧れるところもあり。

とにかく、色んなインプットを意識的にしてみたいなと。

 

 


ちなみに、mattocoのサービス自体は、優秀な後輩達が立派に引き継いでやっていってくれると確信しています。

まだまだやらないといけないことだらけのステージで、先に抜けてしまうのは申し訳ないなと思っていますが、ご心配いただける皆さまはぜひ口座を開いていただき(笑)、引き続き叱咤激励いただけましたら、幸いでございます。

 


新しい事に取り組むということは、それだけでも逆風を産みます。

常に味方ばかりというわけでもなく、また消費者は冷静かつ温かくも厳しくサービスについてもコメント頂けますし、最初はその言葉1つ1つに傷ついたこともあります。

(自分って意外とナイーブ?(笑))

 


でも、その逆風の中でしか体験できない事をたくさん見てきました。

今では、色んな方からのコメント(それは、LOVEだろうが、HATEだろうが)を冷静に見られるようになりましたし、言ってもらえることの幸せを噛みしめられるようにもなりました。

 

なお今後、私が直販関連で何かコメントする事は、新しい観点や着想で考えて進めていく後輩達の邪魔にもなりかねないため、極力控えるつもりです。

ご了承くださいませ。

 

 

本当にありがとうございました。

皆々さま、くそお世話になりました!

引き続き、色々とお世話になります。