大学で研究されているマーケティングの最先端に触れて思う事

金融機関でイントレプレナー見習いみたいなことをやっています。

新規事業に取り組むにあたり、マーケティングをゼロから勉強しなおそうということで、月1で足立さんの無双塾という勉強会に参加しています。

 

足立さんはこちら。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07K1SHXLM/

すでにご存知の方も多いかもしれませんが、こちらの書籍をご覧いただければとてつもない方だというのはお分かりいただけると思います。

圧倒的な経験値とそこから得られた知見を我々世代に還元していただき、夜はバーでのカラオケまで、勉強にならないことがありません(笑)。

 

 

今回は一橋大学のICSで教鞭をとられている藤川先生。

内容の概観は以下のURLが参考になります。

http://www.dhbr.net/articles/-/5052

が、圧倒的な情報量や新しい見方(先生の言い方では「レンズ」)を、ものすごい熱量と引き込まれるようなプレゼンで直接生で体感できたのは非常にためになりましたし、自分の中で言語化できていなかったモヤモヤのいくつかを解消できたのも良かったです。

この熱い気持ちが冷めてしまう前に考えたことをとりあえずブチまけておこうというのがこの文章です。

 

※完全に個人的な意見なので、会社も関係なければ、今回の先生の講義そのものでもないことはご了承ください。

 

 

①持たざる経営という考え方が異次元に進んできた

学生の頃、ホリエモンの本をいくつか読んでいました。

どの本か忘れてしまったのですが、起業するにはどういう職種がいいのか?みたいな話がありました。

その時に書かれていたのは、確か在庫を持たない、工場を持たない、身軽な商売で仕掛けたほうがいい、確かそういう内容だったと記憶しています。

当時はモノを作るにしてもソフトウェア的なものか、概念的なものでお金を取れるようにすればいいのか、くらいに考えていました。

 

しかし、そこから10年くらい経って持たざる経営というもののレベルが変わってしまいました。

今回の講義でも冒頭で触れられていたが、世界一のタクシー会社?のUberは一台もタクシーを持っていない、世界一のコンテンツクリエイターであるFacebookもほとんどがユーザ由来であり、同社はそれほど多くのコンテンツを作っているわけでもない、世界一のホテル?会社のAirbnbは施設を保有しているわけでもない。

 

確かに、街でUbereatsのドライバーを見た時にも同じことを思いました。

店の料理はUberが作っているわけでもなければ、その配達に使うレンタサイクルはdocomoのものだったりします。

つまり、借り物だらけで一つのビジネスが成立してしまっているということです。

そら、生産性高いですよね。

トヨタカイゼンだってそらすごいんでしょうが、トヨタの系列を含めたグループ内での最適化です。

しかし、Ubereatsは社会のリソースを有効活用しながら、自社のリソースの制約も無いわけです。

これを見て閉じた会社はますますまずいなと感じたのを覚えています。

新しいビジネスも生み出せずに、社内の人的リソースがダブついてるところは問題外です。

 

グループとしてアクセラレータプログラムを運営しており、少しずつオープンイノベーションという言葉が市民権を得てきたものの、新しい事をやるために組む、スタートアップがスケールするために大手と組むというレベルではまずいなぁと。

それ以上に、例えば企業同士で何かをやる際にも、合併とかそういう重たい事をやるのではなく、API連携で滑らかにサービスをつなぐように、自社内にとらわれないリソースを如何につなぎ合わせるかが重要となってきていると感じます。

 

最近、いろんな外の人達と話していて、ふと感じることがあります。

それは形式的に同じ会社にいる人よりも、何か面白いことを仕掛けたいと考えている社外の人の方が心理的にも距離が近く、議論がスムーズだということ。

もしかしたら、自分自身もそのようなスムーズなサービス連携の中に少しだけ身を置くことができているのかもしれません。

 

 

バリューチェーンという考え方への違和感

世の中にはB2B、B2C、B2B2Cなど色々なビジネスモデルがあります。

が、そもそも社内のリソースを使ってモノやサービスを作って、それを顧客に届けるという、かつて当たり前のバリューチェーンが壊れてきているという話がありました。

 

今回紹介されたケースの一つで、コマツのKOMTRAXが面白かったです。

http://www.komatsu-kenki.co.jp/service/product/komtrax/

 

コマツは皆さんもご存知の建機メーカーですが、このKOMTRAXというサービスでは、使っている建機のデータや位置情報が全て管理されています。

 

例えば、夜中どこかの国の工事現場で一台の建機が動き出します。

動き出した建機は、車道を走り、やがて少し移動したところで止まります。

建機に備え付けられたカメラ画面に切り替えると、目の前にはATMが見えます。

 

次に起こることは誰でも予想がつくわけで、そこでコマツはこの建機の電源を遠隔で落とすことができ、強盗を未然に防止することができるのです。

いわば、作ったものを提供するといった建機メーカーとしての領域を超えてしまっているわけです。

つまり、サービスを届けた後に関係し続けるということが新たな価値を生み、それを提供し続けられることが求められるということだと思っています。

 

自分も今いる会社がB2B2Cでサービスを提供している会社なのですが、こういった例を見るにつけ、Cつまり最終顧客と使用価値を共有することの重要性は意識していたので、この3月に改めてB2Cのサービスを立ち上げました。

まだ立ち上げたばかりで、使用価値を共有するCを増やすところから始めなければいけないわけですが、既存の同業ではこういったことを提供できているところはまだまだ少ないと思っているので、そこは忘れず追求していきたいと思っています。

 

 

③レンズが違う場合、同じものを見ているようで全く違うものを見ている

実は、上記にも古い物の見方が隠れています。

それは、「既存の同業では…」というところです。

 

これも藤川先生の講演で触れられていたのですが、だんだん業種や業界みたいなものの境界がなくなってきています。

これを先生は、MELTという言葉を使って説明されていました。

 

大きい括りだと、第一次産業とか第二次産業とか第三次産業とかありますが、今や7割以上が第三次産業で、そもそも分類を作った時代から大きく変化してしまっています。

それに加えて、モノもサービスも作ってる企業とか、分類出来ない企業も増えてきています。

 

ずばり、大体成長が止まった企業にはこの古い前提を引っ張ったままのものが多いと思います。

業界のシェアとか、そもそも客が決めたわけでもない業界のことしか考えなくなった時点で、その企業は顧客ではなく、管理しやすい「業界」しか見なくなります。

 

業界を規定してしまえば、あとはマイケルポーターの戦略論の話になり、コストリーダーシップ戦略や差別化戦略を取ることになります。

しかし、それも業界というものを定義出来る、という前提で成り立っているのだという話です。

新しいビジネスを作れない企業などは、とにかく値段を下げ続けジリ貧になるというわけです。

 

どうしてそうなるのか?を考えてみると、その企業がいくら業界を定義したところで、異業種からどんどん参入してくる今の時代においては、もはや定義された世界での存在感など相対的なものになりつつ、結局は顧客に価値を提供する、顧客と共に価値を作るという、大前提の部分を見失ってしまうからではないでしょうか。

 

 

④既存の経済学が想定できない世の中に

これも一例に留めますが、例えば経済学では、限界費用がゼロ以上であることが前提として置かれています。

先ほど、例に挙がったFacebookでのコンテンツ製作費用は限りなくゼロに近づいているはずです。そうなると、限界費用を意識したプライシングからいわゆるフリーミアム的な世界になり、根本から覆されることになります。

 

今では、ソフトバンクADSL拡大期にモデムを配りまくったのを知らない世代も増えてきているとは思うものの、あの時代にフリーミアム的な発想、つまり既存のルールとは異なるところで戦おうとしたのはやはり凄いなと。

もちろん、結果としてうまくいったかどうかは後になってからでないと分からないわけですが、それでも大勝負を仕掛けるのであれば、無意識のうちに縛られている前提を取り外して考えることの重要性を再認識させられました。

 

 

正直面白い事例をこれでもかとたくさん紹介いただき、ほかにも書きたい事はたくさんあるのですが、今日はここまで。